オール電化のメリット・デメリットや節約術について

2023年8月23日

オール電化という名前は聞いたことがあるけれど、それはどういったものなのか、また実際どのような工事が必要になるのでしょうか。また、オール電化は電気に依存するため気になるのが電気料です。オール電化の効果的な節約術や、メリット・デメリットについてもご紹介していきます。

オール電化の仕組み

オール電化は、これまでガスや電気を併用していた設備を全て電気に切り替えることを言います。

具体的にはガスコンロをIHヒーターに、ガスを燃料とする給湯器からエコキュートにといった設備工事です。地域によってばらつきがありますが、近年オール電化にリフォームする住宅は増えてきています。10件ある住宅のうち1件はオール電化が普及していることから、今後は中古住宅やマンションにもオール電化が取り入れられるのではないかと言われています。

オール電化のメリットは?

新築やリフォームを行うタイミングでオール電化を取り入れる家庭が増えてきました。これまで電気とガスを併用した住宅に住んでいた人は、オール電化がどのようなものなのかわからないという方も多いでしょう。オール電化にすることで、これまでの生活の質や利便性に変化が見られるかと思いますが、ここでメリットになるポイントをいくつかご紹介していきます。

光熱費が安くなる

光熱費が安くなるというのはオール電化の最大のメリットです。中でも暖房やお湯にかかるコストが一気に少なくなります。エコキュートや電気温水器、蓄熱ヒーターは、電気料金が割安になっている夜間電気料金プランを利用するため、電気代を効率良く節約することができるのです。また、電気とガスを併用する場合は両方の基本料金を支払わなければなりませんが、オール電化の場合は光熱費を一本化することができます。

基本的にオール電化向けの電気料プランの特徴は、朝昼は通常料金、夜間は割安な料金であることです。例えば、電力エナジーパートナー(2022年)のプランは下記のようになっています。

[スマートライフSプラン]
アンペアブレーカまたは電流を制限する計量器による契約(10A〜60A)

  • 朝昼(午前6時〜翌午前1時):25.80円
  • 夜間(午前1時〜午前6時):17.78円

このように夜間は安く、朝昼間は高くなっています。オール電化で節約するためには、この特徴を活かすことはポイントです。消費電力量は家電によって異なり、最大使用時の消費電力で最も高いのはIHや電子レンジ・オーブン、電気ケルト、炊飯器、ドライヤーなどが当てはまります。特にHIだとビルドインで3口とグリル付きだと5800wにもなることがあるので、割高になりやすい時間は使用を控えたり、調理を短時間で済ませたりするようにしましょう。

熱源を持たないので火災のリスクが減る

オール電化は、住宅内に熱源を引き込まないのでガスよりも火災に対する安全性が高いと言われています。ガス漏れや不完全燃焼による一酸化中毒などの心配もなく、服に火が燃え移る事故も予防できます。オール電化の場合はIHクッキングヒーターを使用することになりますが、磁力線によって鍋を発熱させる仕組みになっているためキッチン周りが熱くなることもありません。

そのためガスコンロよりも汚れにくく、凹凸箇所がないフラット形状によりお手入れが非常に簡単です。

災害時はタンク内の水を利用することができる

災害時に電気が止まってしまうとオール電化は非常に不便と言われていますが、実はガスや水道よりも復旧するのが早い傾向にあります。水道が使えない場合は、エコキュートや電気温水器のタンク内の水を生活用水として一時的に使用することも可能です。

飲用水としては使えませんが、手洗いやトイレ、入浴などで活用することができます。

火災保険料が割引になる可能性も

加入している保険内容にもよりますが、オール電化住宅の場合は火災保険料の割引が適用されることがあります。適用されるにはオール電化であることを証明する書類が必要になりますが、セコム損保の場合は保険料から7~17%の割引が可能です。適用条件は加入先の会社によって異なるので、オール電化にした際はしっかり保険内容を確認しておきましょう。

オール電化住宅は、電気のお得な部分や便利な部分を最大限に活かすことができます。安全性や節約面のメリットが最も貢献できる部分ですが、もちろんデメリットがあることも忘れないでください。双方のバランスをしっかり考慮した上で、オール電化にするかどうか検討してみましょう。

エコキュートの節約ポイント

オール電化では電気給湯機にエコキュートを使用しますが、これも使い方次第で節約につなげることが可能です。

季節や状況に応じて省エネモードを使い分け

省エネモードにしておくと通常よりも電気料を抑えてお湯が使えますが、日中にお湯が足りなくなることもあり、また寒い時期はお湯を使う量が増えるので省エネモードだと逆に効率が悪くなることがあります。日中に沸き増しをする場合やお湯を多く使う時期は通常モードにし、夏は省エネモードに切り替えるといったように、モードを使い分けましょう。

旅行や出張などで家を長期間空ける場合は、休止モードで沸き増しを止めてください。

昼間の湧き上げをストップさせる

お湯が少なくなると自動で沸き増しする機能がありますが、昼間はできるだけストップさせましょう。ピークカットの設定が可能だと、一定の時間は自動沸き増しがストップされます。お湯を多く使いそうな日は、ピーク時間を迎える前に必要なら沸き増ししましょう。

高温足し湯やお湯はりの方がお得

湯船は追い炊きや自動保温でお湯を維持していると思いますが、これはぬるいお湯をタンクに循環させ、そこの熱で温めたお湯を湯船に戻しているので、タンクに温存されていた熱が失われてしまいます。一方、高温足し湯はタンクにある熱いお湯を湯船に足していく機能なので、こちらの方が省エネに適しているのです。

また、翌日のぬるま湯はそのまま沸かさず、新しいお湯を張った方が節約できます。湯船の水は洗濯水など別の用途に活用しましょう。

オール電化は料金プランの特徴に合わせて電力の使い分けやエコキュートの設定を工夫することで、電気料を抑えることが可能です。
また、電気料プランは様々あるので、その家のライフスタイルに適したものを選ぶことも節約には大切なことなので、プランを見直してみるのも良いでしょう。

オール電化のデメリットは?

家計費の中で節約できるものと言えば、電気料金と答える方が多いのではないでしょうか。複数の電気会社で電気料金を値上げしているところも多く、オール電化の導入を躊躇している方もいるはずです。光熱費削減や火災のリスクが少なくなるといったメリットばかりが注目されていますが、ここでオール電化のデメリットについて見ていきましょう。

初期費用にお金がかかる

オール電化を導入するためには、キッチンや給湯器、浴室などの設備を新しく設置する必要があります。初期費用に加えて、修理費用や買い替え料金も発生します。販売価格や工事費用などは販売会社や施工会社によって異なりますが、エコキュートの本体価格が60~80万円程度、IHクッキングヒーターが10~20万円程度となっていることから最低限100万円以上の出費は覚悟しなければなりません。

さらに床暖房システムを設置するとトータルで200万円近くかかってしまうことになるでしょう。

停電すると家電が一切使えない

オール電化住宅は災害によって停電が起きた場合、家電が一切使えなくなってしまいます。給湯や炊事などの機能を全て塞がれてしまうことになります。その点、ガスが引いてある住宅では給湯や炊事ができることが多いです。暖房も電気を利用している場合は、このような緊急時に備えて灯油ストーブを一台用意しておくことをおすすめします。

エコキュートの場合はタンク内にある水を蛇口から出すことはできますが、電気が復旧されるまでお湯を沸かすことはできません。

電気料金が高くなる可能性がある

オール電化を導入する人は、ほとんどの場合「深夜割引プラン」に加入されることでしょう。このプランは、電気料金が安い深夜の時間帯にお湯を沸かすので、日中使用する電気量を少なくすることができるシステムです。しかし、深夜の電気料金は格安でも昼間の電気料金が高額に設定してあるため、小さな子どもがいる家庭や日中誰かが自宅にいる家庭は、光熱費が高くなってしまうケースも少なくありません。

家族みんなで電気の使い方を工夫しなければ「オール電化にしても思ったより節約できない」という不満も出てくることでしょう。

オール電化は、便利で節約できるといったメリットばかりが目につきますが、実は上記のようなデメリットもあるのです。新築時にオール電化を導入した場合、後からガスを併用するには新たにガス管を通す新設工事が必要になります。また、設備機器の取り替えも行わなければならないので導入を検討する際は、デメリットをよく考えた上でオール電化にするようにしましょう。

まとめ

オール電化住宅は、電気のお得な部分や便利な部分を最大限に活かすことができます。安全性や節約面のメリットが最も貢献できる部分ですが、もちろんデメリットがあることも忘れないでください。双方のバランスをしっかり考慮した上で、オール電化にするかどうか検討してみましょう。

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